2023.6.10
わずか2年で『グッバイ』
最強の神トリオ!クリーム
33rpm SEASON III(2023年6月17日OA)No.173
クリーム『グッバイ・クリーム』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
6月の33rpmは、今なお輝き続けるヴィンテージROCKをお送りしています。「R&R never die!」今回は、クリームが1969年にリリースしたラスト・アルバム『グッバイ・クリーム』です。
泣く子も黙るギターの神様エリック・クラプトンが在籍したバンド、クリーム。活動期間はわずか2年という短命にも関わらず、今なお多くのアーティストに影響を与え続けています。
ギタリストのエリック・クラプトンは1945年3月30日イングランドに生まれ、ベースのジャック・ブルースは1943年5月14日スコットランド生まれ。ドラムのジンジャー・ベイカーは1939年8月19日ロンドンに生まれました。
1963年ヤードバーズに加入したのをきっかけに、その名をあげたエリック・クラプトンは、ポップ化したバンドに別れを告げ、65年にはジョン・メイオール&ザ・ブルース・ブレイカーズに移り、ブルースを追求。クラシックの道を歩んできたジャック・ブルースは、チェロを学びながらもやがてジャズに傾倒。様々なグループで活動後、エレクトリック・ベースに持ち替えブルース・ブレイカーズに加入しました。また早くからドラマーとして活動していたジンジャー・ベイカーは、ブリティッシュ・ブルースの重鎮アレクシス・コナーのグループで、ジャック・ブルースと知り合います。
ブルースをさらに発展させたいと考えたクラプトンは、ジンジャー・ベイカーの誘いを受け、ベイカーのバンドにいたジャック・ブルースをメンバーに迎える条件で新バンドに参加。クラプトンはベイカーとブルースはいがみ合っていた事も知らずに、クリームは1966年に結成されました。三人とも一流のミュージシャンが集まったスーパー・グループ、クリームは、この年7月末に行われた「ナショナル・ジャズ・アンド・ブルース・フェスティバル」でデビュー。結成間もないにもかかわらず、驚異的なパフォーマンスで聴衆を圧倒しました。
67年の1stアルバム『フレッシュ・クリーム』はブルースのカヴァー中心で、彼らのオリジナリティーを発揮するのは、この年暮れにリリースされた『カラフル・クリーム』。サイケデリックの時代を反映した、ファズやワウなどのエフェクトが効いたギター・サウンドや、文字通りカラフルなジャケットが印象的で、ブルースとポップが融合した代表曲「サンシャイン・ラヴ」は全米5位のヒットとなりました。そして翌年リリースされたアルバム『クリームの素晴らしき世界』で、とうとう全米1位に輝きます。その内容は前作をさらに増幅させたサウンドと世界観で、「ホワイト・ルーム」「クロスロード」といった彼らの代表曲を収録。ライヴ音源を収録したこの作品で、日本のファンは初めて彼らの生演奏を耳にすることになりました。
しかし、このアルバムをリリース直後にクリームは解散。ラスト・シングルとなった「バッヂ」はじめ、ライヴ音源を集めた『グッバイ・クリーム』を69年に発表してクリームの歴史に幕を下ろしました。クリーム解散後、クラプトンとベイカーはブラインド・フェイスを結成しますがアルバム1枚で解散。クラプトンはデラニー&ボニーやデレク・アンド・ザ・ドミノスと、ブルースへと回帰していきます。ベイカーは、ブラインド・フェイスを基にジンジャー・ベイカーズ・エアフォースを結成。ブルースはソロ活動や様々なセッションを通して活躍しました。
クリームの3人は1993年ロックの殿堂入りの際に再集結。
また2005年にも再結成ライヴを行いますが2014年にブルースが、2019年にはベイカーが亡くなり、永遠に伝説となってしまいました。
クリームのラスト・アルバム『グッバイ・クリーム』
SIDE A
「アイム・ソー・グラッド」
「政治家」
SIDE B
「トップ・オブ・ザ・ワールド」
「バッヂ」
「スクラップヤード」
「ホワット・ア・ブリング・ダウン」
クリームのラスト・アルバム『グッバイ・クリーム』いかがでしょうか?
ちなみにクリームの真骨頂は、演奏の掛け合いが続くライヴだと言われていますが、2時間で3曲しか演奏しないコンサートもあったそうです。
★ジンジャー・ベイカー クリーム・ストーリー
33rpm『グッバイ・クリーム』クリーム
●ON AIR:2023年6月月17日(土)21:00~21:55