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2022.11.05

ピーボより上手いのは、ピーボだけ
ロバータ・フラックとのデュエットアルバム

33rpm SEASON II(2022年11月12日OA)No.142
ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラック『愛に生きて』


アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
11月22日は語呂合わせで「いい夫婦の日」との事ですので、今月は“デュエット”をテーマに特集しています。11月12日にお送りするのは、ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックが1983年にリリースしたアルバム『愛に生きて』です。


実はこの二人、すでに共演アルバムを1980年にリリースしています。しかし前作はコンサート・ツアーの模様を収めたライヴ・アルバムで、今作がデュエットとして初のスタジオ・アルバムとなります。



1937年2月10日ノース・カロライナ州生まれのシンガー、ロバータ・フラックは、両親とも音楽家で、15歳のとき黒人学生のピアノコンクールで優秀な成績を収めました。その奨学金でハワード大学へ進学、卒業後はナイトクラブなどで腕を磨きました。1969年、アルバム『First Take』でデビューすると、その中に収められた「愛は面影の中に」がクリント・イーストウッド初監督映画『恐怖のメロディ』に使われ大ヒット。72年の全米年間チャート1位となり、グラミー賞を受賞しました。翌年の「やさしく歌って」では、再びグラミー賞3部門を独占という快挙を成し遂げます。ダニー・ハサウェイと親交が深く、デュエット作をリリースしますが、79年にダニーが他界。その心の隙間を埋めてくれたのが、ピーボ・ブライソンでした。



一方1951年4月13日、サウス・カロライナ州に生まれたピーボ・ブライソンも、幼い頃から音楽に親しみ、14歳でプロのヴォーカリストとして活動を始めます。さらにインディーズ・レーベルのソングライター謙プロデューサーとして働き、76年には自身のアルバム『ピーボ』をリリースします。これがメジャーの目にとまり、翌年キャピトルとの契約を取り付けます。78年にはメジャー・デビュー作となる『リーチング・フォー・ザ・スカイ』がゴールド・ディスクとなる大ヒット。以後着々とリリースを重ね、キャピトルの新進ソウル・シンガーとして地位を確立します。



ロバータ・フラックとピーボ・ブライソン、二人の才能が出会い、そのツアーを収めた1980年のライヴ・アルバム『ライヴ&モア』は、2枚組にもかかわらずR&Bアルバム・チャートのTOP10ヒットとなります。これに引き続きリリースされたのが、1983年の『愛に生きて』です。名バラード「愛のセレブレイション」に始まり、全9曲。バート・バカラックとキャロル・ベイヤ―・セイガーが共作したナンバーがあったり、カルロス・ベガ、ジム・ケルトナー、ネイザン・イースト、リチャード・ティーといった豪華ミュージシャンの起用もあって、全米総合アルバム・チャートで25位、ゴールド・ディスクに認定されました。



ロバータ・フラックはその後学校を作ったり、ロバータ・フラック基金を設立。2018年に第一線からは引退して、動物保護、福祉、音楽教育などのため社会活動を続けています。またピーボ・ブライソンはセリーヌ・ディオンと『美女と野獣』、レジーナ・ベルとアラジンの主題歌『ア・ホール・ニュー・ワールド』をリリースするなどデュエットでヒット曲を出し、ソロも含め現在でも音楽活動を続けています。


ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックのアルバム『愛に生きて』
SIDE A

「愛のセレブレイション」
「ブレイム・イット・オン・ミー」
「ヘヴン・アバヴ・ミー」
「愛に生きて」

SIDE B
「メイビー」
「アイ・ジャスト・ケイム・ヒア・トゥ・ダンス」
「カミン・アライヴ」
「ユア・ルッキング・ライク・ラヴ・トゥ・ミー」
「キャン・ウィ・ファインド・ラヴ・アゲイン」

ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラックのアルバム『愛に生きて』いかがでしょうか?
バラードの名手として知られるピーボ・ブライソン。かつて『ピーボより上手いのは、ピーボだけ』という、どこかで聞いたようなキャッチ・コピーを使って宣伝していたような、気がします。

ピーボ・ブライソン OFFICIAL
ロバータ・フラック OFFICIAL

33rpm『愛に生きて』ピーボ・ブライソン&ロバータ・フラック
●ON AIR:2022年11月12日(土)21:00~21:55