2023.11.04
バーチャルで復活する!?
ELP衝撃のデビュー・アルバム
33rpm SEASON III(2023年11月11日OA)No.194
エマーソン・レイク&パーマー『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』
アナログ音源専門プログラム「33rpm」。
11月は芸術の秋にふさわしく、普段なかなかラジオで聞くチャンスのないジャンル、プログレッシヴ・ロックをお送りします。「プロッグ・ロックの宮殿」今回は、エマーソン・レイク&パーマーが1970年にリリースしたデビュー・アルバムです。
1960年代後半から70年代にかけて、イギリスで誕生した「進歩的な、発展的な」という意味のプログレッシヴ・ロック。様々なジャンルを飲み込んだ、常識にとらわれない音楽の集大成をご紹介します。
エマーソン・レイク&パーマーの中心人物、キース・エマーソンは1944年11月2日生まれ。幼い頃からピアノを始め、ジャズへと転身、地元サセックスではジャズ・トリオで活動していました。その後ロンドンへ出てバンド活動を始め、ナイスとしてプロ・デビュー。1947年11月10日生まれのグレッグ・レイクは、ローカルバンドで腕を磨き、ロバート・フィリップからの誘いで、キング・クリムゾンの結成に参加。伝説的アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』ではベースとヴォーカルを担当しました。
二人はアメリカで共演して意気投合、新しいバンドを結成することにしました。ドラムは、アトミック・ルースターというバンドに在籍するカール・パーマーに声をかけ、1970年にエマーソン・レイク&パーマーが誕生します。
同年8月には、今や伝説となったワイト島ポップ・フェスティバルでステージ・デビュー。その勢いで1stアルバム『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』をリリース、
発売間もないモーグ・シンセサイザーの使用、クラシック曲の引用などで画期的な作品となりました。71年発表の、ジャケットもインパクトのある2nd『タルカス』はSF仕立てのコンセプト・アルバム。さらにムソルグスキーのピアノ組曲『展覧会の絵』をロック・アレンジしたライヴ・アルバムが、全英3位、全米10位の大ヒット作となり、彼らの名前を広めることになりました。
1972年には4作目『トリロジー』を発表、ワールド・ツアーの一環で来日公演も行われました。73年には自身のレーベル「マンティコア」を設立、5作目『恐怖の頭脳改革』をリリースします。この後アメリカ、ヨーロッパとツアーを行い、その音源を74年にライヴ・アルバム『レディース・アンド・ジェントルメン』としてリリースしますが、その後活動休止。3年後となる77年、各メンバーが作品を持ち寄り再始動アルバム『ELP四部作』を発表しますが、バンドは元に戻ることが出来ず、78年の『ラブ・ビーチ』を最後に解散してしまいます。
それから14年後の92年、再結成アルバム『ブラック・ムーン』を、94年には『イン・ザ・ホット・シート』をリリースして、ワールド・ツアーを行ない20年ぶりの来日。しかし98年にはグレッグ・レイクが脱退して再び活動休止となりました。2010年にイギリスで一夜限りの再結成ライヴが行われますが、16年3月10日キース・エマーソンが、12月7日にはグレッグ・レイクが星となり、ELPの再結成はなくなってしまいました。
エマーソン・レイク&パーマーのアルバム『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』
SIDE A
「未開人」
「石をとれ」
「ナイフ・エッジ」
SIDE B
「運命の3人の女神」
「タンク」
「ラッキー・マン」
エマーソン・レイク&パーマーのアルバム『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』いかがでしょうか?ちなみに今年ELPは、キース・エマーソンとグレッグ・レイクの映像をステージ上に映し出し、カール・パーマーと共演する、デジタル技術を駆使した再現ライヴ・ツアーを開催。12月12日・13日には来日公演も行われるそうです。
★ELP オフィシャル・サイト
33rpm『エマーソン・レイク・アンド・パーマー』ELP
●ON AIR:2023年11月11日(土)21:00~21:55